2026年8月31日月曜日

NTT明鏡止水の心持を忘れたり

 NTTを買った時、予の水面はかなり濁っていた

NTT(9432)については、予自身かなり反省すべき買い方をしています。

買おうとした当時、肌感覚では、

「少し高すぎるのではないか」

と思っていました。

ところが、

「NTTほどの有名企業なら、そう簡単には潰れないだろう」

「一株あたりの値段も安い」

「配当も悪くない」

「まあいいか」

と、自分に都合のよい理由を次々と並べて買ってしまいました。

今振り返れば、かなり危うい買い方です。

しかも当時はほかの投資もうまくいっていて、少し気が大きくなっていたところもありました。

人間というものは不思議です。

最初に「高いのではないか」と感じているのに、その後から自分が買いたい理由を探し始める。

そして最後には、

「まあNTTだから大丈夫だろう」

となる。

これは企業を見ているようで、実際には企業を見ていません。

予自身の欲や安心したい気持ちを見ていたのです。

老荘の世界には「明鏡止水」という言葉があります。

鏡のように澄み、静かな水面。

水面が大きく波立っていれば、そこに映った景色は歪んで見えます。

投資も同じではないでしょうか。

欲。

恐怖。

過信。

思い込み。

有名企業だからという安心感。

株価が一株百数十円だから安いという錯覚。

そうしたものが心の水面を乱せば、そこに映る企業の姿も、本来の姿とは違って見えてしまいます。

もっとも、水面が完全に止まることなどありません。

風はいつも吹いています。

地からの揺らぎもある。

人間の心が完全に無になることなど、予は目指さなくてもよいと思っています。

わずかにさざめいていてよい。

大切なのは、

その水面が、対象の姿を見失うほど荒れていないこと。

NTTを買った時の予には、それが少し足りなかったのでしょう。

高いと思った。

それなら、なぜ高いと思ったのか。

PERなのか。

配当利回りなのか。

将来成長なのか。

市場の期待が先行しているのか。

本来なら、そこで一度立ち止まるべきでした。

ところが予は、

「まあいいか」

で渡ってしまった。

若気の至りと言うほかありません。

その後、配当を受け取り、長期保有によるdポイント施策も知り、銀行事業まで傘下に入ってきました。

今では、買った時とは別の意味でNTTを保有する理由も見えてきています。

だから面白いのです。

買った理由が悪かったからといって、その後の会社まで悪いわけではない。

そして逆に、

会社が良いからといって、どんな値段で買ってもよいわけでもない。

株価を見る前に、まず己の水面を見る。

あの時の予は、本当に企業を見ていたのか。

それとも、自分が見たいものだけを映していたのか。

子曰く、

濁れる水面に真の姿は映らず。

株を買う前に見るべきものは、株価だけではない。

己の心もまた、見るべき銘柄の一つなのじゃ。

ふぉっふぉっふぉっ。

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